特集 小児の検査
乳幼児の尿所見
神前 章雄
1
,
麻生 治夫
1
1日赤中央病院小児科
pp.659-663
発行日 1967年9月15日
Published Date 1967/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916202
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はじめに
乳幼児においては,尿の異常とか,排尿時の障喜などを,主訴とすることは,比較的少ないものであり,尿量がどうであるとか,尿の色が変っているとかは,相当年長児になっても気にしないことが多い。排尿時の疼痛などは,何らかの形で訴えることは,ある程度可能である。したがってルーチンとして検尿を行ない,尿の異常を発見することが多いが,より多くは病歴と現症を診て,尿を検査し,この所見を考察して診断をつけるものであり,この点から老えると,成人よりも,検尿の機会が多いといえるかもしれない。
尿検査は,一般に成人と小児とは,その成績は本質的な差異はないが,測定値の年令的差異を呈するものがあったり,小児特有の疾患における診断的意義が,成人と異なる点がある。検査に関する書物は,立派なものが数多く発行されているので,ここでは,われわれ小児科医が日常遭遇することの多い場合について記すことにする。尿の所見から,どのようなことを老えるか,というように書き,検査と臨床の結びつきを,強くしたいと思う。
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