技術解説
嫌気性菌の検査法(3)—各論
赤真 清人
1
1国立予防衛生研究所細菌第二部
pp.401-408
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916151
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嫌気性球菌
臨床検査でよく遭遇し,しばしば他の菌と共存する。.身体各部に正常細菌叢として広く存在し,非開放性の深部膿瘍や泌尿生殖器をはじめ,各所の化膿性,壊疸性病巣から分離される。また産褥熱の原因ともなるが,抗生物質が使われるようになってから産褥熱はいちじるしく減少し,原因菌として嫌気性菌の占める割合も低くなった。
感染症由来の菌株でありながら,動物実験で病原性を証明できない嫌気性球菌が多いので,嫌気性球菌の臨床的意義を軽視する傾向もみられるが,ヒトに対する病原性を疑う余地のない症例も少なくない。化膿性疾患からは,たいてい,グラム陰性の嫌気性桿菌との混合感染の形で検出されるので,混合感染菌の組み合わせに意味があるのかもしれない。
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