技術解説
血液検査データの読みかた(1)
日野 志郎
1
1東京逓信病院内科
pp.110-114
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915715
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いとぐち
血液検査にかぎつたことはないが,日常われわれが何かの検査をして結果をえたとき,これを正常あるいは異常と判断するわけであるが,なにをもつて正常とするかが問題である。検査法の本をみると正常値というのが書いてあり,それをもとにしていることが多いけれども,ことはそれほど簡単でない。
生体は非常に不安定なもので,健康なひとでもちよつとした条件で違つた値を与えることがある。血液検査のなかでは白血球数がそのよい例である。物理や化学の実験とは異り,検査材料そのものに付随した変化がかなり大きい。また材料をとるときの条件もなかなか一定にしにくいということもある。
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