特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis
Ⅲ.最近注目されている出血性素因
4.特発性血小板減少性紫斑病
安永 幸二郎
1
1滋賀医科大学,検査部
pp.1311-1319
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915623
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特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は,血小板減少を来す原疾患や遺伝的要因が認められず,赤血球系,白血球系には異常がなく,骨髄で低形成を認めないものであって,成因や治療について決定的なものがなく,現在いわゆる難病の一つにも挙げられているものである.本症については厚生省特定疾患調査研究でも取り上げられ,昭和48〜50年には小宮正文教授,昭和51年には高久史麿教授,昭和52〜54年には内野治人教授(特発性造血障害班の分科会として)によりそれぞれ研究が進められた.本編ではそれらの研究成果を踏まえつつ,本疾患の概要について述べることにする.
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