今月の主題 形態検査
技術解説
粘液多糖体重染色
竹田 桂子
1
,
小島 孝子
1
,
須藤 嘉子
1
,
佐久間 由子
1
1順大附属順天堂医院中央臨床検査部病理
pp.1455-1460
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915322
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日常,病理検査室ではH・E染色のほかに,各種特殊染色が繁用されている.しかし1枚のパラフィン切片に,結合組織と多糖類あるいは酸性ムコ多糖類の染め分けが容易に行えればどんなにか有用であろう.この目的のために,Lillieは1951年に結合組織の重染色としてのLillie's allochrome connec-tive tissue methodを,Movatは1955年にPen-tachrome I stainを発表している.Movat's Pen-tachrome I stainの手技ははなはだ繁雑であるが,その美麗な染色性のために捨て去り難く,Movat自身その改良法を1957年に発表している.
その他にも,Bouchard (1967),Russell (1972),Clifford & Taylar (1973)らが次々に改良法を報告した.しかしいずれも一般的な病理検査室において日常化されるまでに至っていない.これらの染色は極めて美麗な染色結果が期待され,賞用すべきであると考え,私どもは日常の病理組織検査に十分に使用できるように改良簡易化した.私どもの改良法を中心として,粘液多糖類の結合組織との簡易な重染色法と,組織学的同定法の大要を紹介する.
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