今月の主題 DIC
カラーグラフ
DICの病理組織
田中 健蔵
1
1九州大学病理学教室
pp.216-218
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915039
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
DICでは全身の細小血管内に微小血栓が形成される.血栓にはフィブリン血栓(図1),血小板血栓,硝子血栓,球状血栓(図9)などがみられ,時にはやや大きな古典的な白色,赤色,混合血栓がみられることがある.一般に微小血栓がみられるのは腎に最も頻度が高く,以下,皮膚,肺,睾丸,心,副腎,中枢神経,脾,種々の内分泌器の順である.微小血栓形成により臓器の局所循環の障害が起こり腎,心,脳や内分泌臓器に巣状あるいはび漫性壊死がみられる.これにより臓器の機能障害が起こる.
なお本症候群にみられる出血傾向は先天性あるいは後天性の止血障害の場合と同様である.図10にウサギのエンドトキシンによる全身性Shwartzman反応による肺の出血と腎皮質壊死を示す.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.