新しいキットの紹介
比濁法によるβリポタンパク測定用キットの検討
津野 麻美子
1
,
入江 章子
1
,
舟木 正明
1
,
阪東 慶一
1
1国立大阪病院臨床検査部
pp.436-439
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914335
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はじめに
ヒトの血清中には,コレステロール,コレステロールエステル,トリグリセライド,リン脂質,遊離脂肪酸などの各脂質がタンパクと結合した状態で存在する.これら脂質とタンパクの結合物,すなわちリポタンパクは水に可溶性であり,しかも脂質代謝においては,非常に重要な役割を果たしている.なかでも血漿コレステロールや,トリグリセライドの主たる運搬体であるβリポタンパクが,今日成人病中,最も問題になっている動脈硬化症を促進する因子であることが広く知られている.
βリポタンパク測定法としては,従来Immnocrit法や比色法が広く用いられているが,今回,比濁法を用いた栄研化学㈱のβリポタンパク測定用キットについて種々検討した.本キットの最大特色は日常検査において,多数の検体を測定する場合,Immunocrit法や比色法に比較して,操作がすこぶる簡単であることであるが,精度においても優れた点が見出された.
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