総説
リポタンパクの代謝
古賀 俊逸
1
1九大・第3内科
pp.1366-1372
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909596
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
コレステロール,トリグリセリド,リン脂質などの血漿脂質はリポタンパクを形成して血漿中に溶存している.その結果,これらの脂質は吸収された場所(腸管,外因性脂質)や合成された場所(肝臓や腸管など,内因性脂質)から,貯蔵または分解される場所への輸送が可能になる.
リポタンパクの構造,機能,代謝に関する研究は近年急速に進展し,多くの成果が得られた.リポタンパクは動脈硬化症の病因と密接な関連をもっており,更に各種の脂質代謝異常を理解するうえにもリポタンパクに対する知識が不可欠となってきた.高脂血症はFredrickson以来,そのリポタンパク像より臨床的に分類され,脂質代謝異常へのアプローチに新局面を開いた.本稿においてはリポタンパクの代謝に関する知見をなるべく平易にまとめてみたいと思う.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.