今月の主題 心電図の最前線
技術解説
運動負荷心電図の方向
川久保 清
1
Kiyoshi KAWAKUBO
1
1東京大学医学部第二内科学教室
pp.492-498
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913642
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
運動負荷心電図の適応は拡大しつつあり,ACC/AHAのガイドラインによれば,①冠動脈硬化症やその疑いのある患者,②明らかな健康人のスクリーニング,③急性心筋梗塞後早期の患者,④特殊な治療後,⑤弁膜症患者,⑥高血圧症,⑦子供,をあげている.しかし,適応の選択にあたっては,運動負荷心電図のpositive predictive valueを十分考えなければならない.適応が拡大し,多段階負荷試験が多用されるにつれ,運動負荷心電図の判定法が,最大負荷時のST下降度だけでなくなり多様化している.それには,ST下降以外の心電図変化の評価,心電図変化以外の運動負荷の諸指標の評価,コンピュータ処理による心電図の解析などがあげられる.特に,コンピュータ内蔵の負荷心電図解析システムが多くの施設で用いられるようになってきたが,多数のパラメーターの評価法が確立していないのが現状である.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.