今月の主題 心電図の最前線
カラーグラフ
体表面心臓電位図
平柳 要
1
,
谷島 一嘉
1
Kaname HIRAYANAGI
1
,
Kazuyoshi YAJIMA
1
1日本大学医学部衛生学教室
pp.472-474
発行日 1988年5月15日
Published Date 1988/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913638
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
体表面心臓電位測定記録装置は,体表面上の多誘導電極(87〜216個)から心電位を同時にデジタル記録することができる.したがって,心臓を囲むどの方向の心電位も測定できるため,各誘導点の時系列波形のみならず,ある時点ごとの空間的電位パターンも表示でき,体表面上での心興奮伝播の空間動態を把握することが可能である(図1).
体表面心臓電位のディスプレイは従来より二次元の色面積図形(図2),等電位線図,輝度変調カラー等高面図などの方式で行われてきたが,最近ではコンピュータ・グラフィックス技術の向上によって輝度変調カラー等高面の立体的な表示が行われるようになり,直感的な画像診断としての意味合いが強くなっている.また,体表面心臓電位図自体の表示にとどまらず,この体表面心臓電位に情報処理を施し,臨床指標となりうる特徴量を抽出して心疾患診断に利用する方法,統計的基準によって体表面心臓電位図の情報圧縮を行う方法,および心電場の理論に基づいて心電源の構造を推定する方法,などの研究も行われている.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.