わだい
細胞骨格と病理診断
向井 万起男
1
1慶応義塾大学・病理学
pp.1280
発行日 1987年10月30日
Published Date 1987/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913473
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光顕的および電顕的観察によって,細胞質内には細胞内小器官,限界膜といった構造のほかに線維成分(fibrous system)が存在することが従来から知られていたが,最近の生化学的および電顕的研究などによって,このsystemとして3種のものが明らかとなってきている.すなわち,microfilaments(マイクロフィラメント),microtubules(微小管),intermediate filaments(中間径フィラメント)がそれであり,これらをまとめて「細胞骨格」という名称が幅広く使われるようになっている.この分野での研究は主として生物学,生化学の分野で目覚ましい進歩を遂げてきたが,病理診断の分野においても最近では活発な応用がなされて注具を集めている.これらの3種の系に属する蛋白に対する抗体を用いた免疫組織化学的手法による病理診断である.
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