資料
血漿糖化蛋白・フルクトサミン測定に関する基礎的ならびに臨床的検討
中 恵一
1
,
下條 信雄
1
,
北橋 繁
2
,
佐伯 成子
2
,
平井 幹男
2
,
奥田 清
1
1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室
2大阪市立大学附属病院中央臨床検査部
pp.679-682
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913351
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はじめに
血漿蛋白は血液中で共存するアルドースにより蛋白アミノ酸側鎖リジン末端アミノ基を主体としてシッフ塩基を形成し,非酵素的にケトアミンとなる.ケトアミンはAmadori転移による生成物で,両者の結合は安定であり,しかも反応が非酵素的であるため生体中では基本的にその生成量は蛋白量と糖量に比例する.したがって血漿蛋白は合成されてから徐々に糖化されるが,蛋白の供給を一定とするとその糖化量は血糖量を反映すると予測される.この意味において蛋白の糖化量を推測する目的で,ケトアミンのもつ緩慢な還元力を酸化還元系の発色剤で定量化する方法が報告された1)が,われわれはこの方法を追試するとともに,その還元能(以下ケトアミン量の測定という意味で,単にフルクトサミン量という)の測定とその臨床的意義について検討したので報告する.
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