今月の主題 生体色素
技術解説
カロチンの測定法
加美山 茂利
1
,
田近 久美子
1
,
伊藤 宜則
2
Sigetosi KAMIYAMA
1
,
Kumiko TAJIKA
1
,
Yoshinori ITO
2
1秋田大学医学部衛生学教室
2藤田学園保健衛生大学医学部衛生学教室
pp.268-274
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913272
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カロチンはビタミンAの前駆物質プロビタミンAとして長い間知られてきたが,最近,ビタミンAやEとともに,胃癌や肺癌,乳癌などの予防に役だつ可能性が示唆されてきており,予防医学および治療医学の立場からも大きな注目を浴びている.そして,血清中の微量定量法に対する需要が急激に嵩まつてきた.
一方,高速液体クロマトグラフ(HPLC)による分析技術の進歩はその導入以来きわめて顕著なものがあり,血清中微量物質についてもその測定技術には定性・定量ともにきわめて広い範囲の適用が行われている.血清カロチン測定法もその一つで,充填剤の改良装置本体のコンピュータ化などにより,血清カロチンの全量定量から,さらに各画分の分離定量に,また,カロチン以外の血清中脂溶性ビタミン類および関連物質との同時分析までが可能となりつつある.
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