学会印象記
第18回日本臨床検査自動化学会/第33回日本臨床病理学会
櫻林 郁之介
1
Ikunosuke SAKURABAYASHI
1
1自治医科大学臨床病理学教室
pp.1622,1647
発行日 1986年12月15日
Published Date 1986/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913201
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海外からも熱い視線を浴びて
今年の日本臨床検査自動化学会第18回大会は,山中學大会長(東大教授)のもと9月5日〜6日,日本教育会館,科学技術館(東京)を中心に開催された.本学会は臨床検査の自動化の研究成果を討論するのが大きな目標であるため,自動化器械が一堂に展示されることでも有名であり,内外の最新の自動化器械を本展示場で見ることができる.茂手木会長の言葉を借りれば「産学共同」をうまく行っているユニークな学会である.
今大会の特徴をいくつか挙げてみよう.まず,シンポジウムでは「新しいセンサーの開発」と題し,村地孝京大教授,松尾正之東北大教授の司会により六名のシンポジストが講演を行ったが,森泉氏(東工大)は「多機能集積化センサーの開発」と題し,半導体を中心とした固体回路技術によって,より微小な,多種類の集積化の可能な安価なセンサーが開発可能であると発表し,注目された.また,相沢氏(東工大)は「オプティカルセンサーの開発」と題し,測定対象を酵素で認識し,その変化を発光反応に導く「酵素センサー」,免疫学的測定法では抗原または抗体に標識した酵素や電子などを光学的あるいは電位変化,電流変化としてとらえる「免疫センサー」,また,生体内では各種マイクロセンサーと発信器を組み込んだマイクロカプセルを飲み込ませ,生体内情報を取り出す「バイオセンサー」などについて語り注目された.
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