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非発酵菌用・短時間同定キットノンファグラム(テルモ)の検討—第1報基礎的検討
狩山 英之
1
1大阪府立身体障害者福祉センター附属病院研究臨床検査科
pp.301-305
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912910
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はじめに
ブドウ糖非発酵性Gram陰性桿菌(以下,非発酵菌と略す.)はopportunistic pathogenの一つとして注目されて久しく,かつ,その分離率も高い.感染症の確定診断には薬剤感受性試験と同時に,起因菌の迅速な同定も強く要望される.ところが,この非発酵菌を正確に同定するにはかなり多くの性状検査が必要であり,成績を得るまで長時間を要することが多い.当然,この菌群を能率的に同定することを目的とした各種の簡易同定システムが市販されてきた.それらの評価1〜9)はだいたい良好な成績を示しているが,追加試験の多さ,その精度,培養時間の長さなど,不満な点も指摘されている.
以上のような現状において,培養時間が5時間程度で成績が得られるという超迅速性を持つ,国産初のドライタイプキット"ノンファグラム(テルモ)"が開発され,今回,その使用機会を得た.ノンファグラムは,使用菌液量が少なく,できるだけ短時間に,簡便に,正確な成績が得られるという点を特徴にする.このキヤッチフレーズの真偽を確認すべく,ATCC株を用いての基礎的検討と,臨床材料からの分離菌株を用いた検討とを行った.第1報として,ATCC株を用いての基礎的検討成績を報告する.
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