今月の主題 細菌同定の迅速化へのアプローチ
カラーグラフ
市販されている細菌同定用キットの使いかた
藪内 英子
1
1岐阜大学医学部微生物学講座
pp.1606-1608
発行日 1985年11月15日
Published Date 1985/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912797
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乾燥型キットのいくつかを選んで提示する.「技術解説」の表1からもわかるように,APIの製品だけでも10種以上が市販されており,それらについて菌接種前,菌接種後試薬滴下前,試薬滴下後の写真を掲載することはできない.したがって,紙面の許す範囲内で11種類のキットの写真16葉を選んだが,エンテオグラムとノンファグラムの2製品のみは近日発売予定である.一般に発育が良好で代謝活性の強い菌種,検出頻度が高く,したがってデータが豊富な菌種は,どのキットを使っても高い精度で同定される.基質の分解試験を主としたキットで,陽性反応がなくコード番号に0が並ぶ菌株は,補助テストを併用して初めて同定できる.これに対して,同化テストやchromogenic substrateを組み込んだものでは同定可能菌種が多くなっている.多数のキットの長所・短所を知ったうえで,各検査室の実情に合ったものを選んで使いこなさなければならない.
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