シリーズ・先天性遺伝性疾患の診断に役だつ検査・6
先天性代謝異常と内分泌疾患の検査
村田 光範
1
Mitsunori MURATA
1
1東京女子医科大学第二病院小児科
pp.689-695
発行日 1985年6月15日
Published Date 1985/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912595
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はじめに
先天性代謝異常や先天性内泌疾患はたいへん数の多いものであり,これらのすべてにわたって検査や診断の実際を述べることは紙面の制約もさることながら,筆者の能力を超えた問題である.そこで,ここでは比較的頻度の高いこと,確立された治療法のあること,早期に診断がなされず,的確な治療を行われないと重篤な後遺症,たとえば知能障害や文字どおり致命的結果に陥るような疾患に限って述べてみたいと考えている.そうすると,ここで解説する疾患は現在,新生児期マス・スクリーニングの対象になっているものとほぼ等しいことになる.これらの疾患についてはマス・スクリーニングの方法や確定診断についても多くの研究があるが,これらの研究は主に特定の機関(マス・スクリーニングセンターや特定医療機関)を中心になされており,一般の検査機関や医療機関ではあまり関心が払われていないのが現状であろう.そこで,ここではこれら先天性代謝異常や内分泌疾患のマス・スクリーニングを中心にその検査の問題点について述べる.
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