分離分析の技術Ⅱ・10
カラムゲル濾過法—ALPアイソザイムの分析
佐野 紀代子
1
,
長 裕子
1
,
芝 燁彦
2
Kiyoko SANO
1
,
Hiroko CHO
1
,
Akihiko SHIBA
2
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部生化学検査室
2昭和大学歯学部第三補綴
pp.1148-1157
発行日 1983年10月15日
Published Date 1983/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911996
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はじめに
血清中にアルカリホスファターゼ(ALP)が存在することは1926年Martland1)により報告されていることから,人の血清酵素のうちでもっとも歴史の古い酵素に属する.また今日でも日常検査で広く行われており,肝胆道閉塞,骨疾患などでその挙動が臨床上重要視されている.
ALPの産生部位は骨,肝,小腸粘膜と推定されているが,血清中にはそれらの臓器起源を持つALPが存在し,ALPアイソザイムとして通常の電気泳動法で六〜七つに分画されている(表1).日常検査法としてのALPアイソザイム分画は圧倒的に電気泳動法による場合が多いが,違った観点からALPアイソザイムをみるとしてゲル濾過による分画で臨床的意義づけを見いだすこともある.また各アイソザイム分画を精製する段階においては,ゲル濾過は欠かせない手段である.
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