資料
エンザイムイムノアッセイ法によるHBs抗体の検討
岩崎 均
1
,
横浜 隆三
1
,
大脇 徳恵
1
,
石井 秀子
1
1関東労災病院検査科
pp.1059-1063
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911976
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はじめに
B型肝炎ウイルス(以下HBV)の関連抗原・抗体の一種であるHBs抗体は,HBVに対する感染防御抗体と考えられており,その存在はHBVの既往を示している1).HBs抗体はHBV一過性感染では,感染後通常1〜8か月で血中に出現するが,一方持続性感染では,HBs抗原が血中から消失した後もHBs抗体の血中への出現は数%しかないと言われている2,3).一般にHBs抗体が血中に証明される場合,HBe抗体およびHBc抗体と共存する例が多く,HBs抗原およびHBe抗原と共存する例はほとんどない.しかし,サブタイプの違いによるHBs抗原との共存例は報告されている4,5).
現在,一般にHBs抗体の測定は,HBV感染後の予後の判断,HBV感染の既往の判定,non A non B型肝炎の推定,さらに近年開発が進められているHBs抗原によるワクチン接種後の免疫能の判定などに利用されている.
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