技術解説
エンザイムイムノアッセイ
石川 榮治
1
1宮崎医科大学・生化学
pp.471-478
発行日 1978年5月15日
Published Date 1978/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914740
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抗原と抗体との反応は一般に特異性が高く,しかも抗原と抗体の濃度が低くても両者が結合する.この抗原抗体反応を何らかの方法で検出,定量することができれば,抗原あるいは抗体の定量ができる.赤血球凝集反応,免疫拡散(イムノプレート)などは臨床検査で既によく使われているものである.レーザーの散乱しやすさを利用して,抗原抗体反応を感度良く検出するレーザーネフェロメトリーは最近臨床検査へ導入され始めたものである.
臨床検査で使われる定量法のなかにはその感度がそれほど高くなくてもよいものと,できるだけ感度が高いほうが良いものとある.赤血球凝集反応や免疫拡散法は便利ではあるが,それほど感度が高いわけではない.レーザーネフェロメトリーはかなりの感度ではあるけれども,ラジオイムノアッセイには及ばない.ラジオイムノアッセイでは放射能の検出により感度良く,抗原抗体反応を定量するので,現在最も感度の高い方法である.この方法も現在では臨床検査に頻繁に利用されている.しかし放射能は,何と言っても人体にとって危険なものである.それだけに利用についても規制が厳しいのは当然である.使用場所も認可が必要であれば,使用者も一定の資格が必要である.そのうえ,測定キットも測定機器も高価である.アイソトープとして半減期の短いヨードが使われることが多い.これも不便である.
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