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エチジウムブロマイド蛍光法を用いたリンパ球幼若化反応試験の基礎的検討および臨床的応用
伊藤 喜久
1
,
河合 忠
1
1自治医科大学臨床病理学教室
pp.928-932
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911949
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はじめに
特異抗原やマイトジェンがリンパ球表面に結合すると,細胞内で一連の化学反応が起こって核酸合成量(DNA, RNA)は増大し,形態的に細胞核は拡大,クロマチンは細網化し,核小体も出現して,細胞質は強塩基性を示す.このような現象をリンパ球芽球化反応と呼び,臨床検査の分野では,悪性腫瘍,自己免疫性疾患などの免疫異常症の細胞性免疫能の検定に応用されている.
リンパ球刺激試験において現在広く行われている成績評価法は,形態法および3H-チミジン取り込み法であるが,前者は再現性の低さから,後者は放射性物質使用に伴う種々の問題から,必ずしも一般検査室レベルに定着していないのが現状である.そこで広くこの検査の普及を図ることを目的に,エチジウムブロマイド(ethidium bromide:EB.化学名:2,7-ジアミノ-10-エチル-9-フェニルフェナントリジニウムブロマイド)を用いてリンパ球中のDNAを直接測定し,リンパ球芽球化能を検定する新しい検査法を開発したので,測定法の検討成績について報告する.
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