今月の主題 日和見感染症
検査と疾患—その動きと考え方・71
レジオネラ症(在郷軍人病)
斉藤 厚
1
,
峰 雅宣
2
Atsushi SAITO
1
,
Masanohu MINE
2
1長崎大学第二内科
2長崎大学第一内科
pp.1482-1488
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911719
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レジオネラ症(在郷軍人病)とは
レジオネラ症(Legionellosis,在郷軍人病;Le-gionnairs' disease)は1976年,米国フィラデルフィアで原因不明の集団肺炎が発症し,死亡者の肺組織から,これまで知られていなかったGram陰性桿菌が,モルモットを介して分離され,sup-plemented Müeller Hinton agar (1%iso-バイタレックスと1%ヘモグロビン含有)に人工培養され,検出菌を抗原とした間接螢光抗体法(IFA)により,この集団肺炎の原因菌であると結論された1).
その後,本菌は分類学上新しい細菌,科(Fa-mily) Legionellaceae,属(Genus) Legionella,種(Species) L.pneumophilaと命名された2).これまで人工培養できず,リケッチア様病原体として報告されていたものや,さらに新しく分離されたLegionella属が整理され,現在では表1に示すように,Legionella属の中に七つの種が設けられ,L.pneumophilaに六つの血清型(Serogroup)およびL.longbeachaeに二つのに血清型が設けられている.
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