特集 臨床神経生理学的検査の進歩
Ⅱ 筋電図
7.微小神経電図法
宮岡 徹
1
,
間野 忠明
2
1浜松医科大学心理学
2千葉大学神経内科
pp.1395-1400
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911404
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針電極または表面電極を記録電極として末稍神経の活動電位を記録する方法は,神経電図法(neurography)と呼ばれている.これら粗大電極を用いる方法では,神経活動電位の総和が導出される.この方法は末稍神経伝導速度の測定などに利用されている.
一方,近年,微小電極法の発達により,ヒトの末稍神経活動を金属微小電極を用いて無麻酔,経皮的に導出し,観察することが可能になってきた.この方法は,1960年代後半にスウェーデンのHagbarthとVallbo1,12)によってはじめて試みられたもので,従来の粗大電極を用いる方法に対し,微小神経電図法(microneurography)と呼ばれている.この新しい方法では,従来の方法に比べ,各種の神経活動電位の種類別の同定が極めて容易になる.また,従来の方法では全く観察し得なかった単一求心神経発射の導出や,自律神経線維,例えば交感神経節後遠心線維の発射活動の記録が可能になる.このように微小神経電図法はヒトの末稍神経機能の分析に有効であり,この方法の臨床応用は,末稍性及び中枢性の神経障害の病態解析に多大の進歩をもたらすと考えられる.本稿では,著者らの経験4〜8)を中心に,微小神経電図法の手技,そのもたらす知見,問題点などについて述べてみたい.
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