特集 臨床神経生理学的検査の進歩
Ⅰ 脳波
11.データ処理と臨床応用
3)基礎活動の分析
山本 紘世
1
,
松浦 雅人
2
1鶴見台病院
2東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.1300-1306
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911391
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脳波のデータ処理に関しては,基礎活動についてはもちろん,突発活動,誘発電位についても種々の分析処理方法が開発されてきた.特に,コンピュータの進歩は新しい分析法や表示方法を可能とし,脳波自動診断装置の開発も行われている.この中で基礎活動の分析は,臨床脳波診断学においてだけでなく,すべての脳波研究で基本となるものである.
現在までに発表されてきた主だった脳波分析法を大きく分けると,脳波信号を物理的・機械的方法で分析するものと,理論的・数学的方法で分析するものと,専門家が行っている判読過程をできるだけそのままシミュレートしようとするものがある(表1),これらの分析法にはそれぞれ利点と限界があり,どのような目的で脳波を分析するかによってその選択が異なってくる.しかし,共通して脳波の解析過程で大切なことは,もとの現象のもっている性質を忠実に処理することであり,装置や処理過程で人工的な変容が生ずることをできる限り避けることである.
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