今月の主題 血小板
技術解説
プロスタサイクリンとトロンボキサン
平田 文雄
1
1小野薬品工業㈱学術部
pp.839-849
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911301
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プロスタサイクリン(PGI2)とトロンボキサン(TXA2)も,他のプロスタグランジン(PG)と同じように,不飽和脂肪酸であるアラキトン酸(AA)から共通の中間体であるPG-エンドペルオキサイドを経由して生合成される.PGI2の産生部位は主として動脈血管内皮であり,TXA2は血小板と考えられる.TAX2は血小板凝集作用が強く動脈収縮を惹起させるが,これに拮抗するようにPGI2は血小板凝集抑制と動脈血管弛緩作用が強い.PGI2,TXA2の発見によって血液血管系のダイナミズム,血管損傷における修復機構など生体の生理機能におけるその役割や,出血傾向,血栓症,動脈硬化症,狭心症など循環器領域の各種疾患との関係など病態生理的側に面おけるこれらの物質の重要性がクローズアップされ,その量的バランスの正確な把握もまた急務と考えられるに至っている.
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