今月の主題 マイコプラズマ症,クラミジア症の診断
カラーグラフ
マイコプラズマとクラミジア
三輪谷 俊夫
1
1大阪大学微生物病研究所
pp.364-365
発行日 1981年4月15日
Published Date 1981/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911201
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微生物の培養・同定技術の進歩はマイコフラズマやクラミジアの分類学を一変させた.細胞壁合成能を全く欠如しているマイコプラズマ及びマイコプラズマ様微生物(MLOまたはPPLO)はclassMollecutes (広義のマイコプラズマ,the mycoplasmas)に包括され,ヒトを含む哺乳動物のみならず植物・昆虫に対する病原体も多数含まれている.クラミジア(order Chlamydiales)に関しては非常に明解になり,1目1科1属として,かつて大型ウイルスとして取り扱われてきたPLT群(オウム病,鼠径リンパ肉芽腫症(第4性病),トラコーマ群)の病原体はgenus Chalamydiaに一括され,オウム病クラミジア(C.psitaci)とトラコーマクラミジア(C.trachomatis)に分けられている.近年,オウム病は輸入伝染病として重視され,非淋菌性尿道炎の病原菌,不妊症との関連などにおいてC.trachomatisfや凸Ureaplasma urealayaticum (human T-mycoplasmaまたはT-strain)などが重要視されてきている.(図1〜6は中村昌弘教授,図7は田波洋教授による.技術解説参照)
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