臨床化学分析談話会より・88<関東支部>
臨床検査への応用の評価—FFAの酵素法
大竹 皓子
pp.51
発行日 1981年1月15日
Published Date 1981/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911128
- 有料閲覧
- 文献概要
第234回分析談話会関東支部例会(1980.7.15)は慶応大学医学部東校舎講堂において開かれた.今回は新しい技術シリーズの3回目で,"NEFAの酵素法について"と題して,基礎研究の立場から清水昌(京大・農),臨床検査の立場から橋本寿美子(虎の門病院)がそれぞれ話題提供をした.
1975年に高橋十郎らが,生体内脂質代謝過程での遊離脂肪酸(NEFA,FFA)活性化機構に着目して,Acyl CoA Synthetase (ACS,EC 6.2.13)を用いたFFAの酵素的測定法を開発して以来,最近急速に臨床検査の中へ浸透しつつある.主なものに,ATPとCoAの存在下にACSを用いてFFAを活性化し,その際に生じるAMPにミオキナーゼ,ピルビン酸キナーゼ,LDHを連続的に作用させ,最終的にNADHの吸光度の変化として捕らえる方法,ACSの作用によって生じたAcylCoAに,Acyl CoA oxidase (ACO)を作用させて過酸化水素を生成させ,POD存在下で2,4—ジブロムフェノールと4—アミノアンチピリンを赤色キノンへ導く方法,更にACS作用後に残存しているCoAを発色させて定量し,残存CoAの量からFFAの濃度を求める方法などがある.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.