中検へ一言・中検から一言
臨床検査のシステム化/他
祖父江 逸郎
1
1名大・内科
pp.822-823
発行日 1976年8月15日
Published Date 1976/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909452
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臨床検査は臨床医学においては欠かすことのできないもので,診断と治療の重要な要になっていることはいうまでもない,最近では,臨床検査の内容は量,質ともに著しく進歩し,各領域をカバーするためには膨大なものとなっている.このような膨大な検査をどのようにアレンジして,臨床に還元し役立てていくかということは大変重要なことである.このことは病院の規模や取り扱う疾患の内容,種類などによっても異なるであろうが,絶えず流動的に臨床側からの要求や,医学の進歩に応じ臨床検査室の内容を充実していくことがぜひ必要であろう.臨床検査の内容をどのように分けて考えるかということは,こうした需要に対応するため,いつも基本的に考慮しておかねばならないことである.臨床各科を通じ共通で,しかも最も基本的なものや,各科に応じた諸検査のうちでも,現段階ではルーチンとされるものから特殊なものまで様々であり,更に試験段階のものもあろう.また別の見方をすると,臨床検査の中には,主として材料すなわち物件を検査対象とするものと,患者自体を検査対象として実施する諸検査がある.元来,血液,血清,便,尿,喀痰,髄液,分泌液,生検材料,手術時採取組織などを材料とする検査と,心電図,脳波,筋電図,自律系テスト,呼吸機能テスト,各種の代謝検査,消化吸収試験など患者を対象として行う検査では,物か生体かという点で,検査のやり方なり,取り扱い方,意義などの点で基本的な違いがあろう.
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