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特集 ウイルス疾患の検査法
ウイルス検査技術
水痘ウイルス
varicella virus
本藤 良
1
1束大医科研ウイルス感染研究部
pp.1302-1308
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909182
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水痘ウィルスは形態学的およびその他の特徴からヘルペスウイルス群に属するウイルスで,臨床的には2つの異なる症状,すなわち水痘症と帯状癒疹を生ずることでよく知られている.このウイルスは,in vitroの場合cell-associate (細胞結合性)で培養液中に感染性のcell-free (細胞遊離)ウイルスとしては認められず,また実験動物には感染しない極めて宿主領域の狭いウイルスである.したがって,ウイルスの取り扱い,高感染価のcell-freeウイルスを得ること,抗血清の作製が困難であり,また動物を用いた感染モデル実験が不可能であることなどが研究の進展を妨げてきたゆえんである.最近ではこれら手技の面にも新しい技術,改良が加えられ,本疾患における検査は必ずしも困難なものではなくなってきている.また本疾患と単純疱疹,種痘後第二次発疹および多くの発疹性類似疾患との鑑別診断の必要性が強く要求され,臨床ウイルス学的にも非常に関心が持たれてきている.
本稿では検査に必要なウイルス取り扱い法と検査法について,検査法の一般原則に従い考察していきたい.
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