Senior Course 病理
—新しい病理組織標本の作り方—組織処理 Ⅱ—パラフィン包埋法
平山 章
1,2
1東京女医大
2病院中検病理部
pp.454-455
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908957
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前回の組織の脱水脱脂,透徹と今回のパラフィン包埋は組織に一定の硬度をできるだけむらなく与えることによってその組織から数μの薄い切片を作るための準備として行われる操作であって,脱水脱脂,透徹が完全に行われていれば透徹剤を仲介として組織内にパラフィンが浸透して組織に均質な硬度を与えることができるようになる.
また,一般に使われている包埋用基材としては親水性・水溶性のもの(ゼラチン,カーボワックス)と非親水性・非水溶性のもの(パラフィン,セロイジン)があるが,今日では組織処理技術が進んだため大部分は組織処理とパラフィン包埋を行うことで間にあい,特殊な目的の場合にだけセロイジン・パラフィン包埋やゼラチン包埋,カーボワックス包埋,合成樹脂包埋法などが用いられるにすぎない.したがって,ここでは主にパラフィン包埋法について述べる.
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