Senior Course 病理
—新しい病理組織標本の作り方—固定 Ⅱ
平山 章
1
1東京女子医大,中検病理部
pp.234-235
発行日 1975年2月15日
Published Date 1975/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908895
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固定液の作用
固定の目的はある種の組織の化学成分を変えて安定した物質にすることであるが,組織成分のすべてを同時に安定化し固定するような固定液はないので,それぞれの目的によって固定液を選択しなければならない.
現在使われている固定液は,組織,殊に細胞のタンパク質に及ぼす影響によって2種類に分けられている.すなわちアルブミン溶液に対して凝固性に働くものを凝固性固定液と呼び,このものは一般的にいって細胞原形質を網目状に変える働きをもっており,そうでないものを非凝固性固定液と呼んでいるが,後者はタンパク質をゲル化し安定した状態にする作用を利用したものが多い.
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