技術解説
乳酸菌の細菌学
光岡 知足
1
1理化学研究所動物薬理研究室
pp.1163-1172
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908717
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乳酸菌とは
いわゆる乳酸菌と称する菌群は,糖類を醗酵して多量の乳酸を生成する細菌の総称で,分類学的には乳酸菌科(Lactobacillaceae)をもって代表される.形態学的には球菌と杆菌とに分かれ,いずれも酸素の少ない環境に好んで発育し,各種の糖から乳酸を生成する.
この乳酸醗酵の形式は,さらにホモ乳酸醗酵(homofermentative)とヘテロ乳酸醗酵(hete-rofermentative)に大別される.ホモ乳酸醗酵は糖類から理論数100%を示す収最で乳酸を生成する醗酵で,これを行う乳酸菌をホモ乳酸菌と呼んでいる.ヘテロ乳酸醗酵はヘキソースから乳酸と乳酸以外の物質(アルコール,炭酸ガス,酢酸など)を生成する醗酵で,これを行う乳酸菌をヘテロ乳酸菌と呼んでいる.
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