新しいキットの紹介
MICROSTIXの使用経験—細菌尿の簡単な検査
田尾 巴子
1
,
鶴田 良子
1
,
高野 洋子
1
,
山口 司
1
,
柴田 進
1
1川崎医大病院中検
pp.189-192
発行日 1974年2月15日
Published Date 1974/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908439
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尿路感染症の検査室的診断は,患者から可及的無菌状況で採尿し,①それを遠心沈殿して沈渣を検鏡し,膿球および細菌の有無を調べ,②尿の細菌培養を行い,そこに検出される細菌の種類と数を観察する2方面の技術に要約される.
ところが検鏡も培養もめんどうであるから,それらを回避し簡単な操作で尿路感染症の患者をふるい分けようとする技術が考案された.まず水の汚染の検査に使用されていたGriess (1879)の亜硝酸塩試薬1-4)を細菌尿のふるい分けに応用する試みがWeltmannによって(1925)行われ2),次いで呼吸活動をしている生菌が,2,3,5-tri-phenyl tetrazolium chloride(TTC)を不溶性で紫紅色のformazanに還元する事実(Wundt,1950)5)に着目し,TTC試薬に一定量の尿を加えて紫紅色沈殿物(37℃4時間)を生ずることをもって細菌尿を検出しようとする単純なテストが発表された(Simmons andWilliams,1962)6).
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