第1回樫田記念賞受賞論文・1
心電図波形歪の問題点
清水 加代子
1
1東北大付属病院中央検査部
pp.732-741
発行日 1973年7月15日
Published Date 1973/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908142
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緒言
心電図の波形を分析して診断をくだす場合に,その波形の時間間隔,波形の振幅および各棘波の形状の3つが判読基準として重要である.したがって,記録の過程で波形に歪が生じるとこれが誤診の原因となるため,臨床検査技師にとって,心電図を記録する際に心起電力を歪なく記録することが重要な課題となる.
心電図の波形歪を起こす主な原因は,(1)誘導側に由来するもの,(2)心電計の入力回路を含む前置増幅器に由来するもの,(3)心電計の主増幅器および記録器に由来するもの,に分けることができる.著者は,これらの問題について,臨床検査部という現場からかねてより検討を行なってきたが1-3),今回臨床検査技師に最も関係があると思われる(1)と(2)による波形歪について理論面と実験例とから検討を加えて本論文とした.
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