論壇
臨床検査の合理化
降矢 震
1
1千葉大・中検
pp.634-635
発行日 1973年6月15日
Published Date 1973/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908112
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検査機器の進歩と診断作法の変化
以前は医師が診察して病変を推定し,その確認のために検査を行なった.名医ほど少ない検査で適確な診断が下せた.近ごろはスクリーニング,プロファイリングという方式が賞用されている.多種目の検査の網で篩い分ける.原因以外のものを除いてゆくから未熟な医師でも取りこぼしがない.前者の演繹的推理に対して帰納的判定ともいうべぎこの方式はより合理的といえる.
プロファイリングは戦前でも米式病院で行なわれていたが,現在のようにスクリーニングの網目を細かく,広い範囲に行なえるようになった背景には自動機器の進歩がある.またその要求が機器の進歩を促がす.電算機による解析もあるものでは可能となり,進んで診断までさせようという試みもある.将来は医師はもちろん,臨床検査技師の手に負えない高度のメカニズムに発展してゆくかに見える.
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