特集 負荷機能検査法
内分泌機能負荷試験—メトピロン,デキサメサゾン負荷試験を中心に
武部 和夫
1
1北大第2内科
pp.991-1002
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907744
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最近の内分泌機能検査法の進歩の1つは,下垂体ホルモンをはじめ多くのホルモンがアイソトープを利用した免疫化学的(radioimmunoassay)方法によって測定が可能となったことで,このことによりホルモンの微量定量が可能となった.他の1つは種々な内分泌臓器,特に間脳,下垂体の刺激物が開発され,上記の免疫化学的方法の併用によって内分泌臓器の負荷試験が容易となってきたことである.
現在内分泌臓器(膵を除く)の負荷機能検査法として,下垂体,副腎皮質系ではデキサメサゾン(dexamethasone),メトピロン(metopirone),パイロジェン(pyrogen),下垂体後葉ホルモン,ACTHが臨床的に用いられている.成長ホルモンではインスリン(insulin),アルギニン(arginine),糖負荷試験が用いられ,甲状腺系では甲状腺刺激ホルモン分泌ホルモン(TRF),甲状腺刺激ホルモン(TSH),甲状腺ホルモン特にtriiodothyronine(T3),抗甲状腺剤,性腺系としては性腺刺激ホルモン分泌ホルモン(LH-RF),性腺刺激ホルモン(LH,FSH),クロミフェン(clomiphene),プレマリン(premarin)などの負荷試験が用いられている.その他,下垂体後葉,副甲状腺,レニン,アンジオテンシン,アルドステロン,副腎髄質などの機能検査にも負荷試験が用いられている.
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