Senior Course 生化学
白血球中のアルカリ性ホスファターゼ(Al-P)
坂岸 良克
1
1東京医歯大・中検
pp.443
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907597
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臨床化学検査の対象はほとんど血清を主とした体液である.しかし,疾患によっては白血球あるいは赤血球内成分のほうが組織の病変をより反映しているのではなかろうか.ここではその一例としてダウン症候群(蒙古症)の子供21例について白血球内のアルカリ性ホスファターゼ活性およびそのアイソザイムの阻害実験から得た成績を検討してみたい1).
白血球の分離はIsopaque-Ficoll法2)でEDTA・2K血液約50mlを遠沈し,混入する赤血球を8.4g/lNH4Clを使って分ける.NH4ClとEDTA塩は9g/lNaClで7-8回洗って除去する.EDTAはAl-Pの阻害剤であるから,この操作は特に注意深く行なわなければならない.Al-Pの抽出はMorton法に従ってn-ブタノールで行ない,pH7.5の0.05mol/lトリス緩衝液で1晩透析する.肝,骨および胎盤のAl-Pも同じ抽出法で調製する.Al-P活性はBessey-Lowry法によって求め,0.02MNaOH中のP-ニトロフェノールのモル吸光係数は1.84×104を採用する.A1-Pアイソザイムはポリアクリルアミドゲルのディスク泳動法によって分離するが,n-ブタノール抽出液50-100μlを試料とする.染色はFast-Blue RR塩を使う.
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