検査技師のための解剖図譜・2
心臓
三島 好雄
1
1東大第1外科
pp.212-213
発行日 1972年2月15日
Published Date 1972/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907530
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心臓の機能は上・下大静脈を介して全身の静脈血を集め,この静脈血を肺動脈を経て肺に送り,肺胞でガス交換を行なって酸素の供給を受けた動脈血を肺静脈を介して受け,大動脈からこの動脈血を全身に送り出すポンプ作用である,すなわち体循環(大動脈—大静脈系)と異なって肺循環では動脈系の中を静脈血が,静脈系の中を動脈血が流れている(前号の図参照,濃赤は動脈血を,薄赤は静脈血を示す).
心臓の律動は交感神経と迷走神経によって調節されており,刺激伝導系を介してこれらの神経線維からの刺激が一定のリズムをもって伝導されている.交感神経の刺激によってリズムは速くなって頻脈を呈し,迷走神経を刺激するとリズムは遅くなって徐脈となる.また心臓には自発的に運動する能力があるので,刺激伝導系のどこかに障害が起こった場合にはそれより末梢部の心筋は自動的に収縮するようになる.
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