特集 酵素検査法
細菌
細菌検査における病原球菌の酵素化学反応
江田 亨
1
1横浜市大・中検
pp.1343-1345
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907440
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病原球菌ことにブドウ球菌(以下ブ菌),レンサ球菌は多種多様の菌体外毒素あるいは酵素を産生し,これら菌種による感染あるいは免疫に重要な役割を果たしている.他方これらの菌体外代謝産物を証明することは,細菌検査室における生物学的性状検査の一環として菌の鑑別,同定に広く用いられている.病原球菌といえぼブ菌,レンサ球菌,肺炎球菌などのグラム陽性菌およびリン菌,髄膜炎菌などのNeisseria属が臨床の実際面で重要である.
これらのうちレンサ球菌は,ストレプトキナーゼ,ストレプトドルナーゼ(DNase),ヒアルロニダーぜ,プロティナーゼなどの菌体外酵素を産生するが,検査室の実.際面では溶血性,バシトラシン感受性,食塩耐性,増殖温度,SF培地増殖能などの生物学的性状で鑑別,同定され,特に酵素反応は用いられていない1,2).また肺炎球菌の菌体外酵素はほとんど知られておらず,したがって溶血性,オプトヒン感受性,胆汁酸溶解性,イヌリン分解能などにより類似菌から鑑別,同定されている1,2).
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