特集 酵素検査法
病理
酵素の細胞化学 その基礎理論
高松 英雄
1
1京大・結核胸部疾患研究所
pp.1296-1297
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907424
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組織化学および細胞化学とは,組織内のどこの細胞または組織成分に,あるいはまた細胞内のどの部位に,いかなる物質.化学的組成があるのか,そしてそのあり方の正常と異常とを研究する学問である.すなわち,組織または細胞を地図になぞらえるならば,その中のどこという部位を明確にすることを特に重要視する学問領域である.したがって,その類縁関係にある他の細胞生物学一般に比べて,研究手技には制限があると同時に,また他の領域においては無用の研究手技が,この場合には開発されるように要求されている.
組織化学および細胞化学は,形態学的な構造上の部位を重視するのであるから,観察するまでの間の諸操作によって,まず構造の破壊および目的とする物質の位置の移動を防がねばならぬ.組織の固定,切片作製の方法がこの領域の問題である.これらの問題については再びあとに述べることにしたい.
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