Senior Course 生化学
—臨床化学検査における酵素化学—酵素による定性・定量分析 Ⅳ
山下 辰久
1
1順大・生理化学
pp.450-451
発行日 1976年4月15日
Published Date 1976/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909353
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1.L-アミノ酸の定量
アミノ酸の定量法としてアミノ酸アナライザーのようなカラムクロマトグラフィーによる新しい方法が多く用いられているが,このような高価な器械を必要としないで,しかも一連の特殊アミノ酸の測定ができるような,簡単で,正確かつ迅速な微量分析法がなお必要である.これはアミノ酸脱炭酸酵素を用いることにより達成される.
L-アミノ酸脱炭酸酵素(L-Aminoacid carboxy-lyase;EC 4.1.1.―)は細菌にとって"誘導酵素"であり,培地に主な炭素源としてあるL-アミノ酸を入れて培養すると,そのアミノ酸に特異的な脱炭酸酵素を得る.酵素の誘導は特異的で,このように培養した細菌の乾燥菌体(アセトン処理)は,そのL-アミノ酸だけを特異的に脱炭酸する酵素標品となる,一般に要求される特異性をもつ酵素標品を得るためには,まず正しい菌株を用いることが必要であり,しかも培養条件や乾燥操作なども厳密に守らなければならない.
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