特集 酵素検査法
生化学
アルギニノサクシナーゼ(ASL) Argininosuccinase
高原 喜八郎
1
1日本専売公社東京病院検査科
pp.1235-1239
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907402
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いとぐち
アルギニノサクシナーゼ*1)(米国よみ,アルジニノサクシネース)は正式にはL-Argininosuccinate arginine-lyase(以下ASLと略す)と呼び,自然界では豆類クロレラ,細菌類,へびの肝・膵組織に,また哺乳類の肝,腎,脳,赤血球などの中に存在していて,その尿素サイクル*2)中においてアルギナーゼの前段階に位置する酵素として知られている(図1).
すなわちASLはアルギニノコハク酸(ASA)を開裂してアルギニンとフマール酸を生ずる開裂酵素(Lyase)で,その反応は可逆性であるが,開裂反応の方向のほうが強い.尿素サイクルにおけるオルニチン→チトルリンの過程はミトコンドリア内で行なわれるが,その他の過程は可溶性細胞質の中で行なわれるから,ASLは可溶性細胞質中ミトコンドリア付近に存在している.
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