技術解説
レプトスピラ病の検査室内診断
小林 譲
1
1九大・第1内科
pp.543-547
発行日 1970年6月15日
Published Date 1970/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906806
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黄疸出血性レプトスピラ病(ワイル病)の病原体が,稲田と井戸(1915)によって発見されて以来,世界各地で多数のレプトスピラが人や動物から分離され,現在その数は60種余りにも及んでいる.これらのうち,わが国にはLeptospiraicterohaemorrhagiae(黄疸出血性レプトスピラ),L. canicola(イヌ型レプトスピラ),L. autumnalis(L. hebdomadis A,秋季レプトスピラA),L. hebdomadis(L. hebdomadis B,七日熱レプトスピラ,秋季レプトスピラB),L. australis(L. hebdomadis C,秋季レプトスピラC)があり,L. bataviaeおよびL. pyrogenesの存在も疑われている.また,沖縄ではL. javamicaも分離されている.これらのうち,黄疸出血性レプトスピラ病は,黄疸と出血ならびに腎炎を主徴とし,経過が早く,早期に適切な治療が行なわれない場合には,死亡率が30%前後にも及ぶ危険な疾患である.
レプトスピラ病の確定診断には,患者からのレプトスピラの分離同定と特異免疫抗体の証明とがあるが,疾患の時期によって検査材料および検査方法が異なるので,これらを表に要約した.
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