技術解説
血清アルギノコハク酸開裂酵素活性値—測定法の改良
高原 喜八郎
1
Samuel Natelson
2
1日本専売公社東京病院検査科
2Director of Biochemistry, Michael Reese Hospital
pp.560-565
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906461
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はじめに
アルギノコハク酸開裂酵素(Argininosuccinic Acid Lyase:ASAL)は尿素サイクル(Krebs-HenseleitのOrnithine Cyde)のメンバーを構成する一酵素として,1949年にその酵素作用註1)がRatner1)らにより報告され,自然界では豆類2),クロレラ3),細菌類4),へびの肝-膵組織5)に,また哺乳動物では肝6),腎7),脳8),赤血球9)などの中に存在している.先天性知能発育不全児において赤血球中のASAL活性が正常値より著明に低いか,または欠損していることはすでに小児科臨床で人々の注意をひいていた.1967年著者らは,ASAL活性値の新測定法とその臨床的意義について報告10)したが,その後2,3の改良を加えたのでここにその手技を中心として解説する.臨床病理学的知見に関しては文献9,10,11)を参照されたいが,今後の応用に期待されるところが多い.
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