論壇
臨床検査と電子顕微鏡
東 昇
1
1京大・ウイルス研究所
pp.246-247
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906373
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電子顕微鏡と臨床医学
"電子顕微鏡と臨床医学",昔考えてもみなかったことであるが,電子顕微鏡は臨床医学に役だつまで急速の進歩を遂げた.古くは1948年,カナダのウイルス学者が天然痘疑似患者の痘疱内液に,あの特徴ある形をした基本小体(ウイルス粒子すなわちビリオンvirion)を見いだして,電子顕微鏡に診断価値のあることを提唱した.今日,電子顕微鏡と臨床医学とは,文字どおり,新しい時期を迎えたといってよい(詳しくは,筆者監修の「臨床医学と電子顕微鏡」雑誌「日本臨牀」1967年1月号より1968年12月号まで毎号掲載,を参照されたい).ここには,電子顕微鏡と臨床ウイルス学について述べる.それに立ち入るまえに,基礎的なことに少しふれておきたい.
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