検査室メモ
施設(検査科)見学をすすめたい
大橋 経雄
1
1国立栃木療養所研究検査科
pp.157
発行日 1969年2月15日
Published Date 1969/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906347
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"井の中の蛙"を避けよ
わが栃木療養所の検査科ではここ10年来,よその施設の検査科(室)を適宜見学してきている.この見学は所側で見てこいと指示されるものと,検査科でぜひ見たいと上申するものの2とおりあって,普通は検査科で立案上申する場合の方が多い.なぜこのように見学を行なっているかというと,今日のようにわれわれ検査技師の仕事が,年々すばらしい発展進歩をとげているとき,ひとり栃木療養所方式で検査を行なっていたのでは,これは井の中の蛙ともなりかねないので,ここはやはり大施設,あるいは新施設の検査科を見学することが,新しい技術,新しい知識をえるのに第一の得策と考え,つとめて機会を設けては他施設の見学を行なっているわけである.
もちろんこの見学は,地方医務局(厚生省)で年1—2回行なう技師の講習会の際にも,時間があれば単独ででも,当該検査科を見せてもらっている.しかし,見学といっても日常作業に忙殺される検査科では,職場から技師を見学に出張させるという時間的余裕が,そうやたらとあるものではなかろうが,私はもしそれができることなら,技師長や主任の各先生は,時間を何とか割譲して,少なくも1日ぐらいの予定で,他施設検査科の見学をさせてほしいと思うのである.前述のように,他の検査科を見学するということは,技師の技術向上に役だつばかりでなく,技師仲間の親睦をも深めるわけで,こうした見学はそれこそ一石数鳥の成果をあげるものである.
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