研究
スポットテスト法による尿定性検査の検討(第2報)
丹羽 正治
1
,
戸村 蕗子
2
NIWA MASAHARU
1
,
TOMURA FUKIKO
2
1国立東京第二病院医化学科
2日本栄養化学株式会社研究部
pp.685-688
発行日 1963年9月15日
Published Date 1963/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
日常の尿定性検査の能率を増進するため,先に筆者らは,凹穴のある磁性皿に尿を検査項目数だけ取り,試薬を滴下混合して,各種の定性検査を行なうスポットテスト法について検討を加えた1)。
この方法は,試薬・尿ともにごく少量ですみ,検査に使う磁性皿の洗浄が試験管を用いる場合とは比較にならないくらい容易である,などの利点が認められる。この反面,検査を行なう人が慣れていない場合には,検体と併行して標準液を呈色させ,それぞれの結果を対比して判定する必要がある。また,タンパク弱陽性の呈色が薄く判定が困難なことがあり,特に異常着色尿の場合や,光源が暗い場合にはその傾向が著しい。その他,メチレン青を用いて行なうビリルビン検査方法は,特異性にとぼしく,濃厚尿や,異状着色尿でも陽性となる等の短所も認められる。
Copyright © 1963, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.