研究
毛細管抵抗試験(tourniquet test単独陽性)と悪性腫瘍
和嶋 毅
1
,
竹中 守人
1
1山口県立医科大学臨床病理学教室
pp.864-865
発行日 1962年12月15日
Published Date 1962/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906054
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毛細管抵抗試験は出血時間および凝固時間の測定とともに出血傾向を有する患者の診断に日常検査法として愛用されている。私たちはこれらの検査を多数の患者に実施しているうちに毛細管抵抗試験だけが陽性に出る非出血性疾患の症例が多いことに気づいた。そこで原因が何であるか,また,いかなる疾患において毛細管抵抗試験の単独陽性を呈するか調べてみたところ悪性腫瘍を有する者において特にその頻度が高い事実を発見した。これは臨床血液学の検査室で出血性疾患の診断をする場合に常に考慮しておくべき重要な事実と思われるので,ここに私たちの調査成績を報告しようと思う。
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