今月の主題 視機能検査と臨床検査
巻頭言
視機能検査と臨床検査
田中 靖彦
1
Yasuhiko TANAKA
1
1国立病院東京医療センター
pp.1503-1504
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904970
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現代医療は,近代医学のさまざまな技術分野の進歩発展に伴い急速に変化し,より正確な診断,適切な治療を提供するため,個人医療からチーム医療に大きく転換した.臨床検査分野は,ますます細分化され,専門化され,また,高価な特殊分析機器の開発が進み,あるいは自動分析装置が開発されて,人の手を煩わすことなく,迅速に正確なデータが得られるようになったが,やはりこの機器を操作するのは人であり,これら新しい機器の扱いかたを習熟することが必須のこととなっている.さらに,医学はヒトゲノムの時代に突入し,再生医学,遺伝子診断,治療がさらに一般的になってくる.当然ながら,この遺伝子工学,分子細胞工学の分野は臨床検査に応用され,これからもさらに日常の検査項目として定着してくることは明らかであり,日進月歩の医学の進歩に追いつき,追い越せの姿勢はさらにエスカレートしてゆくのは明らかである.常に進取の意気込みをもち続けたい.
2000年の簡易生命表で日本人の平均寿命が女性84.62歳,男性77.64歳と,前年度に比較し,女性が0.63歳,男性0.54歳長寿となり,医学の進歩などで,高齢者の死亡率が下がり,ますます高齢者社会が進み,男女ともに世界一と報じられた.ちなみに,1891年(明治24年)から1898年(明治31年)の統計では,乳幼児の死亡率が高かったことから平均寿命は男性42.8歳,女性44.3歳であったという.
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