特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅱ.総合
6.整形外科―股関節領域の検査を中心として
扇谷 浩文
1
Hirofumi OHGIYA
1
1昭和大学藤が丘リハビリテーション病院整形外科
pp.1279-1283
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904921
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はじめに
超音波が骨を通過し得ないという性質上,超音波検査は整形外科疾患においてはほとんど使用されなかった.しかし軟骨をはじめとした軟部組織を観察するのに適していることから,超音波が人体に対し無侵襲であるという利点もあり,本検査は軟骨・軟部組織の多い小児整形外科疾患でよく利用されている.1998年4月以降,四肢の超音波検査が保険適応として認められ,整形外科での利用はますます盛んになっている.ここでは整形外科のどのような領域(部位または疾患)においてどのように超音波が利用されているかを記載してみたい.次いで本稿では,最も検査法が確立している乳幼児の先天性股関節脱臼と小児や成人に対する単純性・化膿性股関節炎,関節水腫における超音波画像の撮像方法とその読み方について記載する.股関節におけるほかの方法や,股関節以外の多くの分野については詳細は特集号などを参照していただきたい1~3).
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